レヴィオルストーリー2
「…ユナル達のことはわかってる。
わかってるけど…、どうしてもクウェン兄と重なって…。」
小さいときから五人で仲がよかったから尚更そうなった。
ユナルとエニス、スーリンの気持ちをわかっていても、どうしても信じられなかったのだ。
「…クウェン兄って、誘拐犯のクウェンナって人よね。
あの人と何かあったの?」
レイはいきなり核心を突いてきた。
アレンは目線を斜め下に逸らしてしまう。
「…言いたくないのなら無理に聞かないわ。
それで、そのスパイっていうのは見つかったの??」
レイはわざと話題を変えた。
さりげない気遣いにアレンはありがたい気持ちになる。
しかし答えはあまりよくないものなのだ。
「見つかってない。オージャスさんが調べてくれてる」
「それで最近よく城に来てたのね!」
レイは納得したのかうんうん頷いた。
しかしすぐに表情を曇らせる。
「…でも、城にそんな人がいるなんて…。」