レヴィオルストーリー2
24.闇の動き
勇者の城のある一室。
『…失敗したんだ』
電話の向こうの声が、酷く不機嫌な低い声で言う。
電話を持っていない片方の手で自身の髪を撫でていた“彼女”は、それをピタリと止めた。
「…失敗?」
『そう。何回も言わせるなよ。まじ沈んでんだからさ』
「あら、そう。まさかアレン様に怪我させたの?」
『いいや。させられたよ。あいつ怒るとやっぱヤバイね。昔を思い出したよ』
溜め息をつく音が受話器から聞こえた。
“彼女”はクスリと笑うとまた髪を弄る。
「そういえば仲がよかったのよね」
『まぁな。んで本題なんだけど。今日アレンはそっちに戻るんだな?』
「ギルク様とイル様が騒いでたから確実よ」
『んなら、今日の…そうだな、午後6時。そっちに客が来るからさ。入れてやって案内してあげてくれないか?』
その言葉に“彼女”は眉間にシワを寄せた。