レヴィオルストーリー2
「私のこと利用してるわね」
『そういう契約だろ』
「はいはい、わかったわ…。その人どんな人?」
『すぐにわかる。目立つ金髪で茶色い瞳のイイ男だからさ。』
ふざけた男の口調にちょっと苛つきながらも、“彼女”思い出して納得した。
「…あぁ、前言ってた人ね」
『そう。アレンもビックリするだろうね』
「アレン様は知らないの?」
『知らないさ。あいつが生きてることも、自分との関係も。』
「そう…。まぁとりあえず入れたらいいのね」
『そうだよ。よろしく頼むぜ、シルラ。』
電話をしていた“彼女”───シルラは立ち上がるとにこやかに笑った。
「わかってるわよ、クウェンナ。じゃあね」
ガチャン。
受話器を収めるべきところに収め、シルラは伸びをした。
休暇は昨日で終わり。
今日からは、働く。
「さてと、用意しなくちゃ」
シルラは使用人共通のエプロンをつけ、自室から意気揚々と出ていった。
その胸の中にある想いを抱きながら。