レヴィオルストーリー2
「そうね。ずっと待ってた…。必ず成し遂げてみせるわ。最後まで協力してね、クウェンナ。褒美はきちんと渡すわ」
「褒美など滅相も御座いません。俺は貴女にお仕えできるだけでよろしいのです」
「あらまぁ誠実なこと」
女性、ダーチェスは銀と黒のオッドアイを細め、クウェンナを眺めた。
クウェンナはにこりと笑む。
「闇王様に仕えるのです。この上ない幸せですよ」
その言葉にダーチェスは満足そうに頷いた。
また水晶に目を移す。
「もうすぐ。もうすぐで、戻る……。」
その感情の籠った呟きは、クウェンナの耳に届くと底のない闇に吸い込まれて消えてしまう。
それから闇王ダーチェスは、ずっと水晶を覗き込んでいた。
何かが起こるのを待つように。
それをクウェンナはジッと息を潜め見つめていた────。