レヴィオルストーリー2
第七章◆
「……始まってしまった」
長い髪を揺らし、女性が囁いた。
彼女がいるのは白く輝く不思議な空間。
彼女以外は、誰もいない。
「……彼は争いなど、望んでいないのに。可哀想に…運命には逆らえない」
一人で呟く彼女は不意に白い腕を前に差し出した。
手のひらを上に向けると、そこに柔らかい光が生まれる。
しばらくそれを見ていた女性はフッと目を細めた。
「…どうか、間に合いますように」
瞳を閉じて、静かに祈る。
再び開いたその目は、奇妙ともいえる不思議なオッドアイだった。
片方は金色。
片方は───虹色。
「何もできないとは辛いものですね」
女性は光に話しかけた。
光は返事をするかのようにゆらゆらと揺らめく。
「………幸運を祈っていますわ。
もしかしたら私も行かなければいけないかもしれません……。」
儚げに微笑んだ女性は再び目を閉じた。
何かを待つように。
確実に未来にある、対面を見据えて─────…。