レヴィオルストーリー2
26.おちびちゃんの秘密
レイの言葉に、アレンはまた回転した。
身体を城門の方角へ向けると、確かにリルムが兵士の集団をすり抜けやって来ている。
城門を護っているのは武術軍隊第三部隊。
あのデカイ図体は、小さなリルムからしたらすり抜けやすいものだったのだ。
「…あいつ、この忙しい時に何なんだ!」
アレンは思わずイライラとそんなことをぶちまけてしまった。
手で帰れと示しても、リルムは首を横に振って二人のもとに来る。
気付いた魔法軍隊の兵士が捕まえようとしたが、リルムはそれもするすると逃れた。
「アレンっ!」
一気に駆けてきたリルムは、思い切りジャンプしてアレンに向かいダイブ。
アレンは辛うじてそれを受け止めた。
すぐに降ろして帰らせようとするが、リルムは頑としてアレンから離れようとしない。
「…おいリルム、ここに来ちゃ危ないだろ。帰れよ、お母さん心配するぞ」
そう宥めても、リルムは納得せずアレンにしがみついたまま。