レヴィオルストーリー2

「あのね、怒らないでね」


黒髪を揺らし、リルムはすがり付くような目で二人を見上げる。

アレンとレイは黙って頷いた。


あまり長くはこうしていられない。

早く済まさなければいけないのだ。





「…じゃあ、言う。あの、おちびちゃん──じゃなくて、ルルアンのことなんだけど」

「ルルアン?」


思わず聞き返してしまったレイ。


リルムは頷くとまた口を開いた。


いつもならオバサンとか言って敵視するリルムも、今日ばかりは違う。



「うん。あたしね、怖くて。
これ言ったらルルアンここにいれないだろうなって思って、それが嫌で黙ってたの…。ごめんなさい」


いきなり謝るリルム。


アレンとレイはその意味がわからず首を傾げる。



リルムは大袈裟に深呼吸すると、キッと目付きを変えた。







「今、戦ってるんでしょ?敵いるんでしょ?

その敵ここに入れたのはね、


─────ルルアンよ」







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