レヴィオルストーリー2
「…あんの野郎!ルルアン人質にするつもりかクソヤロー!!」
二人を見たギルクはあの騒ぎのときの怒りを思い出したのか、ブエノルに向かって勢いよく駆けていった。
イルも魔法を待機させて準備する。
ギルクを見たブエノルは、後ろにいたルルアンを引っ張ると自分の前に立たせて盾にした。
ルルアンは抗おうともせずにされるがまま突っ立っているだけ。
「ぅおッ!?」
いきなり小さなエルフが標的の前に現れ、ギルクは慌ててブレーキをかけた。
しかしブエノルを殴ろうとした拳は勢いがつきすぎて止まらず、ギルクの意思とは反して今にもルルアンを殴りそう。
が、ギルクはルルアンを殴る前に何かに後ろに引っ張られた。
「…おぉッ!?」
「もぅっ、ギルクの馬鹿ぁ。ちょっとは考えなさいよッ!」
戻ってきたギルクにイルが怒る。
どうやらイルが魔法で止めてくれたらしい。
ギルクとルルアンは同時にホッと安堵の息をついた。