レヴィオルストーリー2
「お、レイ様かな」
「はいはい、どうぞ」
クナルが答えると扉が開いた。
だが、そこにいたのはレイではなかった。
「あら、シルラ?」
「お姉ちゃん」
シルラはクナルを見て寄ってくる。
二人は姉妹なのだ。
同じ色の髪をクナルがあげていなければ、実際には三歳離れていても双子に見えるほど似ている。
「アレン様が倒れたって聞いて…。」
「えぇ。今は寝てるわ。」
「そう…。」
シルラは少しアレンを見つめた後、クナルに体を向けた。
「リディンさんとメディンさんが、頼まれてた薬を調合したって来てたわよ。応接間にいるわ」
「あら、本当に?」
シルラの言葉にクナルは立ち上がった。
「ちょっと行ってくるわね」
「あ、俺ももう出る。アレン様のスケジュールを変えないといけないし。」
クナルを追いかけるようにマケドニスも立ち上がった。
「じゃあシルラ、ちょっとだけアレン君を頼めるかしら。たぶんまだ起きないと思うけど…。」
「わかったわ。」
シルラは出ていく二人を見送ると、ベッドに横たわるアレンに近寄った。
ぬるくなった額にのせたタオルを、氷水に浸してから絞るとまたのせる。
ふとその綺麗な寝顔を見て、シルラは心臓を跳ね上がらせた。
「……アレン様」
彼女は静かに呼び掛けて──…。