レヴィオルストーリー2



「見ての通り、その子は裏切り者ですよ」




────後ろから、声。




バッと振り向いたが、遅かった。



後ろにいた二人の人物が、ギルクとイルを羽交い締めにする。



ギルクは何か縄のようなもので縛られ、イルは手錠を嵌められた。





「!!しまった…」


ギルクは慌てて逃れようと、力をこめて縄をちぎりにかかる。


しかし、ちぎれる前に彼を縛った人物が動いた。




指先をギルクに向け、呪文を唱える。


すると指先から雷が走り、それはギルクの全身に強い電流を駆け巡らせた。



魔法にあまり免疫がないギルクはもろに攻撃を喰らってしまう。




「ぐあぁああぁッ!」


耐えられなくなり、声をあげた。



「ギルクっ!!」


イルが甲高くギルクの名を叫ぶ。



駆け寄ろうとしたが、後ろにいた敵がイルを捕らえた。



ギルクはガクンと膝をつき倒れかけたが、何とか耐えて後ろを振り返る。





そこには少し前に魔法軍隊に入ったモスウェルと、同じ時に使用人になったロレスウェルがいた。






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