レヴィオルストーリー2

「――…!?お前ら…」


目を見開き、ギルクは信じられないという風に絶望的な声を出す。

イルはロレスウェルにいとも簡単に捕まっているし、モスウェルはまたギルクに指先を向けていた。




────ルルアンに気をとられて気付けなかった。




そんな自分が情けなく悔しくて、ギルクは歯ぎしりする。



しかしモスウェルが呪文を唱え終わる前に跳ね起きると、自由な足でその横っ腹を思い切り蹴った。


モスウェルは呻くと、早々と床に踞る。


それを見たロレスウェルが何か叫んで、イルにナイフを突き付けようとした。


しかしイルも足で後ろにいる彼女を蹴りあげ、それは失敗する。




そして、時計の針も動かぬうちに、さっきとは逆の立場に逆転した。




モスウェルとロレスウェルは唸りながらも何もできない。





「ギルク大丈夫?」


息荒くモスウェルを踏みつける彼を見て、同じくロレスウェルの背中を踏んでいるイルが心配そうに訊いた。






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