レヴィオルストーリー2
アレンが何を口走ったかなど全く知らぬブエノルは、ニヤニヤしたまま歩み寄ってくる。
相変わらず偉そうにふんぞり返ってうざい奴…、などとまたまたアレンが思っていると、彼は少し手前で立ち止まった。
「これはこれは勇者様。ご気分いかがかな」
後ろにルルアンを従え、上から目線のブエノルにアレンは笑顔を向けた。
それはレイやギルク、イルやマケドニスには見せない、冷たく威圧的なもの。
「最高ですね。ちょうど貴方を探してました」
「…フン。その余裕もすぐなくなるさ。」
アレンの返答に満足できず、更に笑みまで見せられて、ブエノルのご気分の方は悪い方向にいったようだ。
ヒクヒクと口の端を吊り上げ、アレンを見下ろしている。
…背は大して変わらないのだが。
「…そうですか。その時は本気を出すまでですよ」
ブエノルの嫌味など物ともせず、アレンは適当にさらりと返した。
が、笑みは消えている。
碧の瞳の鋭い輝きに、ブエノルの後ろのルルアンがビクッと震えた。