レヴィオルストーリー2

そろそろ解放してやらないとルルアンが可哀想だ。


そう思ったアレンは、レイに目配せ。


バレないように頷いたレイは、無言で精霊を呼ぼうとした。



しかし────…




「魔力を使えばルルアンだけでなく、コイツの家族も殺してやるぞ?」




ブエノルが勝ち誇った笑みを浮かべてそう宣言した。


レイは動きを止める。



どうやら考えなしではなかったようだ。




「…家族?」


眉間にシワを寄せ、アレンはおうむ返しに初老の男に訊ねた。

ブエノルは得意気に頷くと、サーベルを突き付けたままルルアンを指差す。



「コイツはもとはリシェラルクのエルフの森に住んでいた。そこに我が国の密猟者が入ってな。

ルルアンの家族に目をつけ、コイツの家に放火したのだ。火事の家から出てくるところを捕らえる算段で。」



その話に、アレンはサリルナ教皇の言葉を思い出した。




『ここはエルフの森といって、名前の通りエルフが住んでいますの。ちょっと前に火事があって、少し騒ぎになったんですのよ。』





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