レヴィオルストーリー2


(そう言うことだったのか…。)



教皇が言っていた、火事。


それは放火されたルルアンの家から、森に広がったのだろう。



「ルルアンの親は、コイツだけでも逃がそうと移動魔法を使ったようでな。
それで小さなエルフがレヴィオル国に迷い込んだのだよ。」


そしてそれはダルヌク国からしたら都合のよいことだった、とブエノルは続ける。



「レヴィオルに入り込んだスパイが、ルルアンに接触して。
言うことを聞かなければ家族を殺す、と伝えてくれたのだ。

コイツの家族は今私の手中にいる。
だからルルアンはダルヌクの人間がレヴィオルの城に入る手伝いをするのを快く引き受けた。」



全部話し終わったのか、一息ついたブエノルはルルアンを見てニヤリと笑った。


ルルアンは水色の目に涙を滲ませ、動けないまま堪えている。



「…家族を盾に言うことを聞かせていた…ってことか」


アレンが声色低く呟いた。

ブエノルを睨み付ける目に怒りの色が混ざる。




< 534 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop