レヴィオルストーリー2

「…そう言うことだ。魔力を使えば、捕らえているコイツの両親も殺す。
ルルアンの今までの努力を無にしてもいいのか??」


意地悪く言ったブエノルは、アレンを見て口の端を更につり上げた。



(…まためんどいことに…)



今回ばかりは油断できないと、アレンは忌々しげに舌打ちする。


レイが心配そうに彼を見上げた。




アレンはどうしたらよいのかと、頭の中で考えを巡らせる。


ああいう大人は一番厄介だ。


どうにかして、ルルアンの両親が傷付かないようにしなければならない。





彼が迷っているのを見て、ブエノルは得意気にルルアンに話しかけた。


「お前も役に立つものだな。
あの国王、一家族と国を同等に考えておる。
無駄な優しさは命取りだというのに。」


ニヤニヤ笑いを抑えることなく囁くブエノルに、ルルアンは激しい怒りを覚えた。


振り返ってキッと睨み付ける。


首にサーベルの先が微かに食い込んだが、そんなもの気にならなかった。





< 535 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop