レヴィオルストーリー2
「言うこと聞いたらママ達逃がすんじゃなかったの?早く逃がせよ!嘘つき!!」
バシッとサーベルを持つブエノルの手を叩くと、するりとすり抜けルルアンは走り出した。
ブエノルは一瞬呆気にとられるものの、慌てて落としたサーベルを拾うと追いかける。
自分で窮地を抜け出した小さなエルフの子供は、自身が無敵だと信じて止まない頼りになる青年に飛び付いた。
アレンはルルアンをレイに渡すと、剣を抜いて向かって来たブエノルのそれと剣先を交える。
こうなったらもうアレンが勝ったも同然だ。
実力が違いすぎる。
「さっさと帰ったら?おっさん」
アレンは目を鋭く光らせ、ブエノルに言い放った。
敵国の首相は苦い表情を浮かべて、何とか剣にかかる圧力に耐えている。
「…フンッ!誰が帰るものか!こうなったら引き返せないのだよ。直に外から軍艦が攻撃しはじめる。」
そう言ってサーベルをさっと引くと、アレンに突き刺そうとした。
しかし簡単にかわされてしまう。