レヴィオルストーリー2


「――…ッ!!」


右足のふくらはぎにサーベルが貫通し、アレンは歯を食いしばって痛みに耐える。




「アレン様!」


マケドニスが真っ青になって叫んだ。



ブエノルは予測していたのか、満足そうな顔をするとサーベルを引き抜く。



────ゆっくり、抉るように。





「ッぅあ゙…!!」


ギュッと目を瞑り声をあげたアレンは、思わず子供二人を抱き締めている手に力を入れてしまった。


「アレンっ!」


ルルアンが泣きながらその背中に腕をまわす。




「大丈夫だルルアン。勇者はすぐに楽にしてやろう」



ブエノルはそんな彼らを見て冷酷に笑った。


そして、今度はサーベルをアレンに向けて振るう。



痛みで霞む視界にそれを捉えたアレンは、ルルアン達を巻き込まないようにルルごと精一杯突き飛ばした。





すると、目も瞑らずブエノルを見上げるアレンの前に。






─────レイが現れた。








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