レヴィオルストーリー2
「…はっ。人を庇って死ぬなど、情けない逝き方だな」
痛いくらいの沈黙の中、ブエノルが得意気な言葉を発した。
その台詞に、アレンの目が男に向けられる。
─────コイツが。
レイを。
やっと見つけた、心から大切だと言える人を…。
────許さない。
許さない、許さない、許さない……
「………許さ…ない………」
ユラリ、と。
レイを柔らかい芝生に横たわらせ、足の痛みも気にせず立ち上がったアレンが。
その瞳を怒りにギラつかせ、呟いた。
ブエノルはそのただならぬオーラにたじろぐ。
「な…何だ…??」
「…許さない…!
…レイを、返せ!!」
そうアレンがほぼ絶叫した途端、その足元に魔方陣が現れた。
黄金の光を放つそれは、城の庭園全てを埋めつくすほど巨大なもの。
魔王を倒したときよりも大きい。
─────アレンの魔力が、はじめて全て解放された。