レヴィオルストーリー2
27.魔力の暴走
「………あ、アレン様…??」
マケドニスは呆然と主人を見つめる。
ルルアンが驚き叫び、リルムが泣いて喚いても、アレンは見向きもしなかった。
その瞳に怒りを宿し、ブエノルから目を離さない。
そして、彼はゆっくり歩み始めた。
一歩進むたび、その足元に氷が生まれる。
その場の気温が一気に氷点下まで落ち、樹や花が凍りついていた。
「ヒッ…」
小さく悲鳴をあげたブエノルは、情けなく怯えているものの逃げようとはしない。
────否、逃げれない。
金縛りにあったかのように、体が動かないのだ。
「…や、やめろ。私を殺せば国家問題に繋がるぞ!」
声を出すので精一杯なブエノルは、弱々しくそう喚く。
しかし彼を見るアレンは何も言わなかった。
───アレンの無言は、不機嫌な証拠。
だがこれは不機嫌なんてものでは済まされない。
マケドニスは慌てて駆け寄ろうとする。