レヴィオルストーリー2
主人であるアレンのもとに行こうとした側近だったが、それはままならなかった。
「…っえ!?」
マケドニスが近寄ろうとした瞬間、地面──ではなく魔方陣から、大きな氷柱が生えだしたのだ。
来るもの全てを拒むかのように、何かが近付いた途端にそれは生まれる。
「アレン様!」
アレンは叫ぶマケドニスにさえも反応を示さず、ブエノルに近付いていた。
ついに腰を抜かして座り込んでいる男の手前まで来る。
彼を見下ろすアレンの目は、今まで誰も見たことがないくらい冷たく恐ろしかった。
「…す、すまなかった。だから、やめてくれ…」
アレンに思い切り見下ろされたブエノルは命乞いを始めた。
最早プライドも何も関係ない。
しかしアレンはそれを聞こうとはしなかった。
怪我をして痛い筈の片足をあげ、ブエノルの腹を蹴る。
その強さに初老の男は声も出せずに背中を丸めて踞った。
その丸見えの背中を力一杯踏みつけ、アレンは怒りのままに魔法を連発させる。