レヴィオルストーリー2
「…最初に、ルルアン達を庇ったアレン様が足を刺されたんです。
ほら、あの右足のふくらはぎの貫通した怪我。あれです。
それで動けなくなったアレン様を、ブエノルが殺そうとして。
それを阻止しようとレイ様が前に出て……胸を貫かれました。」
最後の言葉に、ギルクが顔をしかめた。
何となくわかってきたようだ。
「…アレンが無意識に治癒魔法を使ったのね。
でも、そんな凄い怪我一瞬で治しちゃうなんて…」
イルはレイからアレンに視点を変え、表情を曇らせた。
「暴走を止めれるレイが、キッカケになっちゃうなんて。早く止めなきゃ…!」
その焦りを含んだ言葉に、マケドニスもギルクも緊張する。
氷柱に円形に囲まれた中心では、アレンが氷の剣を何もない空中から生み出したところだった。
────既に弱りきっているブエノルに、トドメを指すために。
剣を振るアレンには、迷い等が一切ない。
冷酷に光る瞳にブエノルを移し、力の限り剣を振り下ろした。