レヴィオルストーリー2
「アレン様!」
「「アレンっ!」」
彼が今にも目の前の男を殺してしまいそうなのを見たギルクとイルとマケドニスは、我を忘れておもいっきり叫ぶ。
彼にそんなことをしてほしくない。
────優しいアレンは絶対に後で後悔するだろうから。
三人の必死の叫びに、アレンの動きがピタリと止まった。
彼はギルク達に目を向けると、振り上げていた剣を下ろし待機させる。
動きは止まったものの、まだ怒りを抑えきれないのか氷がブエノルに絡み付こうとしていた。
「アレン様、やめて下さい!もう十分です。レイ様のお怪我も治ってます」
マケドニスが辛辣な声でそう言えば、アレンはレイを見て剣を地面に落とす。
そのまま駆け寄り、彼女の傍らに膝をついた。
その様子を三人は静かに見守る。
「……………レイ、」
掠れた声を出したアレンは、穏やかに眠っている彼女の頬にそっと手を宛てた。
────…暖かい。
生きている。
レイは顔色は悪いものの、確かにあの傷がないし規則正しく呼吸をしていた。