レヴィオルストーリー2
「………え?何だ、これ…」
アレンはもうすぐ夏のこの季節にはあり得ない光景に、驚いて固まってしまった。
それを自分がしたのだから尚更だ。
「早く消してくれ!兵士もろとも引き返すから…」
ブエノルは一刻も早くこの場を去りたいらしい。
アレンを急かして、いつでも逃げれるように氷柱のそばに移動した。
「………待って、」
混乱するアレンは次第に焦っていき、ギルク達を見ると困惑の表情を浮かべた。
その間もまた氷柱が生まれ、逃げ道を遮る。
アレンの意思とは関係なく、むしろ逆らうように。
「……わからない…」
そう呟いた途端、アレンはガクンと浮かしていた腰を落とした。
顔色がレイと同じくらい、…否、それ以上に悪くなっていく。
気付いたイルがヤバいと叫んだのが、変に遠くに聞こえた。
「わからないだと?」
ブエノルは逆に真っ赤になって怒り始めた。
さっきアレンに殺されかけた割に図太い神経だ。
もう何もされないと決め込んでいるのか、早くしないかとまたアレンを急かす。