レヴィオルストーリー2

「前に話したでしょっ!魔力の暴走よ!!」


その返答にギルクは小首を傾げた。

アレンを見て眉間にシワを寄せると、イルに向き直りさらに質問する。


「さっきまでのが暴走なんじゃねぇの?」

「…そうなんだけど!そうなんだけど、あれはまだ序の口ッてゆーか…。たぶん今からがヤバいのよ!」


伝わらないもどかしさと焦りのせいで、イルの声は無駄に大きくその場に響いた。


聞いていたマケドニスは氷柱に張り付いて、アレンを食い入るように見ている。



氷の壁は氷柱が幾重にも重なり、徐々にアレンとレイ、氷柱から逃げて逆戻りしたブエノルの姿を隠していっていた。


しかも氷柱は一度に何本も生え、中心にいる三人に迫っていっている。



「…アレン様!しっかりして下さい!魔力を封印するんです!」


精一杯叫んだマケドニスの声に、アレンがやっと顔を上げた。


立ち上がろうとして、断念する。



さっきは気にならなかった右足に、激痛が走った。






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