レヴィオルストーリー2

「そ…そうだ。普段封印しているんだろう?早くやめないか」


ブエノルが寒さに震えながらアレンに言う。


アレンは彼を睨むが、額に脂汗が滲んで顔色も最悪なせいかあまりいつもの迫力がなかった。

それでもブエノルは怯えて後ずさる。


「…知った風な口、聞くな…。レイにそれ以上近付いたら、今度こそ殺すぞ」


アレンの言葉にレイをちら見したブエノルは、眠る美女から大人しく離れた。


ホッとして力を抜いたアレンの綺麗な顔が、痛みに歪む。



太い氷柱がすぐそこまで迫って来ていた。




「おいアレン!封印できないのか!?」


氷の壁で姿が見えなくなってしまったギルクの声がする。



(…さっきからしてるよ)



でも、できない。



自分の力なのに、コントロールできない。




氷の壁はアレン達の周りを囲みそれ以上いけなくなると、今度は太い氷柱から細い氷柱を生み出した。


珊瑚のように複雑に絡み、枝を伸ばして更に迫る。




その枝が最初に到達したのは、ブエノルのところだった。






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