レヴィオルストーリー2
────これは彼の過去だ。
マケドニスは瞬時に理解した。
アレンの魔力が暴走して、彼の過去を自分に見せているのだ。
だから子供のアレンもその母親も、マケドニスがいても何も言わない。
あちらに自分は見えていないから。
「…どうしよう。」
勝手に人の過去を見てしまっていいのだろうか。
マケドニスは街でアレンと話したことはなかった。
引っ越して数年間サリアンシティにいたこともあって、接点がなかったのだ。
しかし噂は聞いたことがあるし、その姿を見たこともある。
“大人顔負けの凄腕剣士”
「…確か学校の先生を手合わせで倒したとか…」
アレンの噂はそんなものばかりだった。
その中で、一つだけ。
一度しか聞かなかったし、証拠はなかったのだけど。
─────アレンの母親の噂があった。