レヴィオルストーリー2
どれくらいの時間が経っただろう。
マケドニスは全く動かないアレンをただ見ていたのだが、不意に家のベルの音がした。
アレンはマグカップから目を逸らし、リビングから廊下に繋がるドアを見る。
まだ幼く可愛らしい顔には何の表情も浮かんでいない。
彼はゆっくり立ち上がると、窓に近寄り締め切ったカーテンの隙間から外を覗き見た。
マケドニスもそれに倣う。
人がいるであろう家の門の場所には誰もいなかった。
アレンは眉を寄せ、カーテンを少し開くと身を乗り出す。
その瞬間、マケドニスの横を通り黒い腕が伸びた。
「えっ!?」
『ぅわ!』
アレンとマケドニスは同時に声をあげる。
もちろん、マケドニスの声はここでは周りには聞こえないが。
アレンは首根っこを掴まれ易々と抱き上げられてしまった。
黒い腕の持ち主は、アレンをソファーまで連れていくと乱暴に放り投げる。
すぐに起き上がったアレンが見上げ睨むその相手は、とにかく真っ黒だった。
ヘルメットを被り顔を見えなくし、その被り物に合わないスーツを着ている。
ヘルメットさえなかったら、まるでどこかの殺し屋だ。