レヴィオルストーリー2
「…クウェンナ」
愕然としている小さな子供を見てニヤつく、かつての親友。
マケドニスも彼を見て目を見張った。
『アレン、どうした?』
クウェンナは言いながらアレンの頭を撫でる。
───さっきアレンの腕を斬った奴とは思えないほど、優しく。
兄のように慕っている彼を目の前に、アレンは黙り込んで何も言えない。
黒い集団が、二人のもとに歩んでいった。
『…クウェン兄…。何で…??』
自分よりでかい図体の5人に囲まれても、アレンはクウェンナから目を離さない。
親しい彼はアレンを乗せたまま上半身を起こすと、ニヤリと笑った。
あの砂浜での笑顔とは全く違う。
『何でって、決まってんじゃん。こうしたら街長が金くれるんだ。それが結構な大金でさ。』
『…嘘だ。こんなの、クウェン兄じゃない…。さっきだって来てくれて、』
『下見だよ』
ハッキリと笑顔で言うクウェンナ。
その言葉にアレンは目を見開き、クウェンナから退くと後退りした。
しかし、黒い集団が囲んでいる。
その内の一人に背をぶつけ、アレンはその場に座り込んだ。