レヴィオルストーリー2
クウェンナは立ち上がり、パンパンとスーツを叩くとアレンに歩み寄る。
『なぁ、言っちゃえば?お母さん殺した人のこと。
そしたらお金倍額に跳ね上がるんだよね』
そう言って小さな弟分の前に屈み、笑顔を見せた。
それはいつも見せていた屈託ない大好きな笑顔で。
────裏切られた、ということを一瞬忘れさせた。
『…わからないって、言ってるじゃん…。おれ、クウェン兄に裏切られたの??』
『まぁそうなるね。
なぁアレン、いつから“おれ”って言うようになったんだい?
お前は“僕”だったろう』
『……そんなことどうでもいいよ。酷い…』
震えて泣きそうな声。
しかしアレンは涙は流さない。
傍から見ていることしか出来ないマケドニスは、キュッと唇を噛んだ。
親友だった彼の少年姿を睨む。
『酷い?そう?人間そんなモンだよ』
相変わらず笑顔をキープしながら、クウェンナはアレンに言った。
『アレン、教えてやるよ。人は裏切るもの。信用しちゃ駄目だ』