レヴィオルストーリー2

クウェンナは立ち上がり、パンパンとスーツを叩くとアレンに歩み寄る。



『なぁ、言っちゃえば?お母さん殺した人のこと。
そしたらお金倍額に跳ね上がるんだよね』


そう言って小さな弟分の前に屈み、笑顔を見せた。


それはいつも見せていた屈託ない大好きな笑顔で。



────裏切られた、ということを一瞬忘れさせた。





『…わからないって、言ってるじゃん…。おれ、クウェン兄に裏切られたの??』


『まぁそうなるね。
なぁアレン、いつから“おれ”って言うようになったんだい?
お前は“僕”だったろう』


『……そんなことどうでもいいよ。酷い…』



震えて泣きそうな声。


しかしアレンは涙は流さない。



傍から見ていることしか出来ないマケドニスは、キュッと唇を噛んだ。


親友だった彼の少年姿を睨む。





『酷い?そう?人間そんなモンだよ』


相変わらず笑顔をキープしながら、クウェンナはアレンに言った。





『アレン、教えてやるよ。人は裏切るもの。信用しちゃ駄目だ』







< 570 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop