レヴィオルストーリー2

『…そんな酷いのクウェン兄だけだ!帰ってよ、もうおれの前に出てくるな!』



クウェンナの言葉に一瞬凍り付いたアレンだったが、すぐにそう怒鳴り返した。


彼の腹を蹴り、その勢いでクウェンナは尻をつく。



『裏切ったクウェン兄の話なんか聞かない。一番信用出来ないのはお前だろ!』



そう言って立ち上がると、黒い集団の数人を突き飛ばして廊下に逃げ出した。




────あそこに。


あれが、ある。


唯一の繋がりと手がかりのあれが……。









アレンが目指すのは、階段の下にある物置。


母がアレンを決して入れなかった場所。





もう少しでそこにたどり着く、というところで……









『………やったなお前』









クウェンナの低い声がした。




驚いて振り返ると、怒りに満ちたクウェンナの顔が。




彼はアレンの腕──切りつけたところを掴むと、思い切り力をこめた。






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