レヴィオルストーリー2


『――…ッ!い、たぃっ!!』



ギリギリと締め付けるクウェンナの手からは、アレンの血が伝い床に落ちている。


クウェンナは痛みに顔を歪めるアレンをぐいと引っ張り、壁に勢いよく叩きつけた。



そのままアレンの首を両手で掴み、グッと締め付ける。





『……ぅ…!』




呻き声をあげたアレンを真っ正面から睨むと、クウェンナは唇の端を吊り上げた。




『…俺の“証”を壊すからだ。自業自得だな』


そう言って、さっきアレンが蹴った腹の服を捲ってそれを見せる。


アレンは目を見開きそれを見つめた。





そこにはクウェンナの首からかかる長い鎖についた、黒い宝石があった。


ヒビがあるのはさっきアレンが蹴ったかららしい。




それだけならさほど驚きもしないのだが、その形がアレンの知っているものと同じだった。





────母ナティアが赤いハートのネックレスと一緒に大事にしていた、虹色の宝石と。






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