レヴィオルストーリー2

『……そ、れ…!』

『あぁ、お前の母さんのと似たようなもんだよ。凄く大切なもの。
お前はそれを壊したんだ』



クウェンナは更に力をこめた。


首の骨が折れそうなくらい、強く強く締め付けられる。



それでもアレンの瞳からは涙は流れない。




恐怖と憤怒の表情で見ていたマケドニスは、眉を潜めた。




(普通なら泣き叫ぶくらいなのに…)



自分だったら耐えられない。











しかも、小さなアレンが口に出したのは────…



『……そん、なとこに…、着けて、るからだろ!
…自分で、管理しとけよ!!』





そんな強い言葉だった。







『…は?アレン、お前調子にのんな』

『…ぅ、るさい。離せ…ッ』



尚も反抗するアレンに、クウェンナは目を細めた。










『………死ね』






そう呟いて、右手をあげる。



その手の中には血のついた短剣があった。





クウェンナはそれを振り下ろし────……・・













その瞬間、マケドニスの視界が真っ暗になった。





微かに見えたのは、眩い金色の光─────……・・












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