レヴィオルストーリー2
─────苦しい。
身体が熱い。
ドクン、ドクン、ドクン…
と、早鐘のように打つ心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる。
息が、乱れて。
力が入らない。
柔らかい芝生の上に倒れたまま、アレンは動けずにいた。
何か大きなものが全身を這いずりまわるような、渦巻くような。
そんな感覚に目眩がする。
(ギルク達が、叫んでる…)
答えたい。
でもできない。
荒い呼吸が邪魔して、言葉を発せれない。
パキパキと音を鳴らし、氷が自分に迫っていた。
───…こんなに熱いんだ。
溶けるかもな…。
ぼんやりとそんなことを考える。
しかし、違った。
最初に、足首。
ヒヤリと冷たいものが触れ、それが絡み付いていく。
それがだんだん心臓に向かい上がって来る。
そしてゆっくりと、あのサーベルが貫通した右足にも、その細かな枝を伸ばしていった。
当然、激痛が襲い掛かる。