レヴィオルストーリー2
「――……ぅッ、く…」
疼く激痛に、唇を噛み締めた。
それでも小さく呻いてしまう。
冷たい。
痛い。
熱い。
痛い。
苦しい…。
───瞼が重くなってきた。
意識が、薄れる。
(……死ぬかも…??)
自分のヤバそうな感じに、アレンは弱気になっていく。
…………死。
それを意識した途端、直にそれを見た過去の場面が脳裏を過った。
今まで戦ってきた数多い獣、
母の刺される瞬間、
自分がクロムを殺った瞬間、
魔王との最期のぶつかり合い。
そして、不意に自分の住んでいた白い民家を思い出した。
そこで踞る、人、人、人。
床は真っ赤に染まり、クウェン兄が驚愕の表情で立っていて────…・・
「………………?」
ほぼ閉じかけていた瞼が微かにだがまた上がった。
何だ、今の場面?
家で、人が死んでいた…。
────そんな記憶は今までなかった。