レヴィオルストーリー2

疑問に思う前に、何かがアレンの思考を遮った。


気付くと誰かに、慎重に体を揺さぶられている。




あまり意識していなかった耳と目を働かせてみた。




そして、見たのは。





「おい、駄目だ。起きなさい!」




そう言って慌てている、敵国の首相ブエノル。







「………あ…?」



何故彼が自分を起こしている?


しかも、心配そうに。



何かの計算か??






「おお!良かった。」



彼は本当に安心したように眉を下げ笑う。





(…幻覚見てんのか。)




やっぱりヤバイな、アレンはそう考え心の中で自嘲気味に笑う。





しかし次の瞬間、バカらしいその考えが吹っ飛んだ。






────ブエノルが、レイに手を伸ばしたのだ。







「………や、めろ!」



動かない体で叫んだアレンは、すぐに痛みに顔を歪めた。




相変わらず心臓は煩いし、嫌な感覚も目眩も酷くなった。




それでもレイから目を離さない。






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