レヴィオルストーリー2
「安心しろ。もう何もしない。私はここから早く出たいのだ。だから手を貸すことにした。」
ブエノルはそう言うと、あの憎たらしい自己中な笑みを口元に出した。
あぁ、そういうことか。
アレンはホッとして力を抜く。
そしてまた襲い掛かってきた痛みと苦しみに、眉を寄せギュッと目を瞑った。
声を出す気力もなくなってきたのだ。
「目を開けろ、勇者だろう。ほら、お前がそんな様子では彼女が悲しむ」
そうアレンを叱ったブエノルは、レイの手を取るとアレンの手と重ねさせた。
汗が滲み火照った手に、レイのひんやりした綺麗なそれが気持ちいい。
「…………………レィ…」
辛うじて聞き取れる掠れた声を出し、アレンは彼女を見つめた。
───自分の一番大切な人。
護ると、約束したばかりなのに。
怪我をさせてしまった。
また逆に護られた。
彼女はあの華やかな笑顔で、何度も自分の心を救ってくれたのに。
自分は身一つ護ってやれない。