レヴィオルストーリー2

レイの目に移る愛しの彼は、自分に目を向け仰向けに寝転がっている。


ぼんやりした顔で瞳は潤み、頬は紅潮して苦しそうに整った眉を寄せていた。






そして、何よりもレイの目を引いたのが。








─────その彼の心臓目掛けて伸びている、鋭い氷柱の枝。










「――…あ、アレン!?何これ…っ、どうしたの??」



レイは慌ててその氷柱の枝を折ってなくそうとした。


が、その手をブエノルが掴む。


レイは彼を見て目を丸くした。





「…貴方がしたの!?ねぇ!戻して!!」


「違う!私ではない。その氷柱を折っては駄目だ。かえって彼を弱らせるぞ!!」



ブエノルがそう怒鳴ると同時に、アレンが小さく呻いた。


レイがブエノルと話している間に、また氷柱が伸びていたのだ。




「アレン!大丈夫?」


直ぐ様レイは飛び付いた。

どうしたらいいのかわからず、泣きそうになって考えを巡らせていると。





「レイ!起きたのっ!?」




嬉々とした、聞きなれた声が氷の壁の向こうからした。







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