レヴィオルストーリー2

「…イル!ねぇ、これどういうこと??」


それが自分の親友のものだと悟ったレイは、すぐに助けを求めるべく訊く。



手を握ったアレンの瞼が、もう下りそうになっていた。




「魔力の暴走よ!アレンの魔力が暴れてるのっ!!」


姿は見えないが、イルの声にはかなり焦りが含まれている。


もう相当時間が経ったのだろう。



そう思い、レイはまたアレンに目を戻す。



「ブエノルに頼んだの。アレンにレイを見せろって!

あたし達中に入ろうとしたんだけど、駄目で。
氷割ったら魔力がまた使われちゃってアレンが危ないし、あたしが移動魔法でそこに行こうとしても魔力取り込まれて弾き出されて…。

もう、レイしか止められないのっ!!!!」




最後の言葉はほぼ絶叫だ。



レイは涙が流れそうになるのを堪えながら、必死にメディンの言葉を思い返した。







『暴走の原因はほとんどが負の感情じゃ。それらを掻き消すには、それ以上の優しく温かい感情を生まれさせねばの。』




例えばそう…、友情や愛。




彼はそう言っていた。










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