レヴィオルストーリー2
30.暗躍
ピンポンピンポーン…
最新技術でできた、防犯対策万全のインターホンの音。
病院帰りのブエノルは、自宅で休んでいたところにその訪問を受けた。
「…誰だ?」
ソファーから起き上がり、画面を覗く。
誰かが映っている筈なのだが、真新しい画面には何も映っていなかった。
「…イタズラか」
ふぅ、と息を吐き、まだ痛む体を再びソファーに横たわらせようと振り返る。
すると。
「やぁ、首相さん」
聞き覚えのある若い男の声がした。
自分が向かおうとしていたソファーに、優雅に腰掛けている。
「………お前か」
男──クウェンナを見たブエノルは、あからさまに嫌そうな顔をして呟いた。
にこりと笑ったクウェンナは、人のソファーに勝手に座っときながらその隣を指差して勧める。
しかし、初老の男はそれには応じずまた違う一人用のものに腰掛けた。