レヴィオルストーリー2
「つれないねぇ、ブエノルさん」
「何の用だ」
おどけるクウェンナにしかめっ面を見せ、ブエノルは低い声で訊いた。
その相手の不機嫌さをものともせず、クウェンナはにへらっとへつらう。
「失敗したみたいだね」
その無遠慮な言葉にブエノルは更に眉間にシワを寄せた。
クウェンナをジロリと睨み付ける。
「…また向かう気はさらさらない。よくよく考えれば、こんなに早く行くこともなかったのだ。」
そう言って全身にある包帯を見て眉を下げた。
その表情は、人のよいおじいさんのもの。
「…彼には悪いことをした。私は少し…道を逸れていたようだ。
あんな場面見せられれば戦う気も失せる。」
想い合うとはいいことだな、と呟くブエノル。
その様子にクウェンナは目を細めた。
「…あんたにもそういうとこあるんだね」
「…忘れていたがな。私にはいないものだから…。」
昔を思い浮かべているのか、首相は懐かしそうに遠くを見る目をした。
それを見ているクウェンナは心の中で毒づく。
(…しょーもねぇ。)