レヴィオルストーリー2
「困るんだよ。動いてもらわなきゃ。じゃないと目眩ましになんないだろ?」
「…目眩まし?」
「そう。その為に唆して戦争にさせちゃおうとしたのに。一回でやめられちゃこっちも準備ができないよ。」
淡々と言うクウェンナだが、その言葉一つ一つは恐ろしい。
ブエノルは数回瞬きした後、慎重に言葉を選んでクウェンナにいくつか訊ねた。
「そちらが何かをする為の目眩ましで、私とダルヌク国を利用したのか?」
「そうだよ」
即答。
普通なら言いにくいことなのに、悪びれる様子すら全くない。
「…お前とその命令とやらをした上のお方も、レヴィオル国を狙っておるのか?」
その質問には、一瞬固まるクウェンナ。
「…国じゃない。」
そう答えると、にやりと怪しく笑い立ち上がる。
指はブエノルの心臓に向けたままだ。
驚いたブエノルは縮こまって、それからソファーからすっ転げた。
それを楽しそうに見下ろしながら、クウェンナは口元に笑いを浮かべ話す。