レヴィオルストーリー2
「国なんてもんダーチェス様が欲するわけないだろ?
…あの方がこれからすることは、世界を揺るがす。
それをする為の道具を揃えてるとこなんだ。」
────得意気に、恍惚としながら。
夢見がちに言うクウェンナに、ブエノルは驚愕の表情を浮かべ目を逸らせない。
グレーの目は今までにないくらい爛々と輝き、頬は紅潮して嬉しそうだ。
「…な、世界?世界ファンリュジョン、か??」
ブエノルは後退りしながら訊く。
クウェンナは彼に目を向けるとまた笑った。
─────今度は、心からの笑み。
「…そう。その名前も変わるけどね」
「は?」
「…世界ダーチェス。いい響きだと思うだろ?」
そう囁いたクウェンナは、今度はブエノルの前にしゃがみ顔を覗き込む。
その表情は誇りに満ちていた。