レヴィオルストーリー2
─────聞き覚えのある、女性の声。
ルシアンは既にもう止まらない腕を放置したまま声のする方向を見る。
治療室の入り口から、使用人のまとめ役であるシルラが飛び込んで来ていた。
そして。
─────ドスッ!
鈍い嫌な音が、静かな部屋に大きく響いた。
「……シルラさん、邪魔しないで」
ルシアンは倒れた女性に冷たく言い放つ。
シルラはアレンを庇い、左胸を刺されてしまっていた。
ルシアンは握っていたメスが目的の人物でなく、その人を庇った女性に突き刺さったことに苛立ちを覚える。
またアレンに向き直り、シルラの胸からメスを抜くと即座に彼を始末しようとした。
「…駄目ッて、言ったでしょう!」
しかしまたシルラが邪魔をする。
ルシアンの腕にしがみつき、その手からメスを奪い取った。
そして、揉み合いをしている内に。