レヴィオルストーリー2



「…………あ……」








────グッサリと、自分の持つ刃が相手を貫き。







シルラは重い感触に、思わず声を漏らした。







「……えっ」



ルシアンは刺されたところが悪かったのか、倒れたまま動かない。




「う、嘘。そんなつもりじゃ…ッ」



自分も胸から血を流し、シルラは真っ青になりながら口元を両手で覆った。



改めてルシアンを見てみると、彼女は目を見開いたまま死んでいる。




その恐ろしい光景に、シルラは悲鳴をあげた。










「…キャアアアァア!」










怖い、怖い、怖い。



そんなつもりじゃ、なかった。





怖い。

怖い。



殺してしまった。





殺してしまった─────……













「い、嫌ッ!こ…こっち見ないで…っ!!」




自分の方に向いたルシアンに、シルラは喚いて怖がる。


またメスを取ると、パニックに陥っていたからか罪に苛まれたのか、自分を刺した。




一度目逸れたメスは今度は、思い切り彼女の心臓に行き届いた。









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