レヴィオルストーリー2
「………アレンさま……」
自分とルシアンの血の海で、シルラはポツリと呟く。
そして、ドサリと倒れて動かなくなった。
メスを体に突き刺したまま、目を閉じて穏やかに眠りにつく。
想って想って道を逸れてしまったことを、彼に謝りながら──────……
「………何これ…」
悲鳴を聞きつけ、急いで治療室に戻ったレイ。
彼女は一瞬で起こった惨状に、それしか言えなかった。
一緒に来たイルは叫んで飛び上がると、すぐに誰かを呼びに走り去る。
こんな光景、見たくもなかったのだろう。
「……何で?どうして??」
カタカタ震えながら、レイは扉からそれ以上中には入れない。
怖すぎる。
女性二人が、血の海で死んでいるなんて───…………
(でも、アレンが)
レイは残酷な光景から目を逸らし、アレンを見た。
寝台に寝ていたからか、無傷で無事だ。
─────返り血は、浴びているが。