レヴィオルストーリー2




「………アレンさま……」





自分とルシアンの血の海で、シルラはポツリと呟く。




そして、ドサリと倒れて動かなくなった。






メスを体に突き刺したまま、目を閉じて穏やかに眠りにつく。







想って想って道を逸れてしまったことを、彼に謝りながら──────……



























「………何これ…」




悲鳴を聞きつけ、急いで治療室に戻ったレイ。


彼女は一瞬で起こった惨状に、それしか言えなかった。



一緒に来たイルは叫んで飛び上がると、すぐに誰かを呼びに走り去る。



こんな光景、見たくもなかったのだろう。







「……何で?どうして??」





カタカタ震えながら、レイは扉からそれ以上中には入れない。



怖すぎる。


女性二人が、血の海で死んでいるなんて───…………






(でも、アレンが)




レイは残酷な光景から目を逸らし、アレンを見た。


寝台に寝ていたからか、無傷で無事だ。




─────返り血は、浴びているが。










< 610 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop