レヴィオルストーリー2
「…あ、アレン?大丈夫…??」
彼の様子に不安になったレイは、地獄の真ん中のそこに向かおうとした。
「…駄目、来るな」
しかしアレンはそれを許さない。
気分が悪い筈なのに、有無を言わせぬ迫力ある声色でレイを止めた。
「…でもっ」
「…ッいいから!マケドニス呼べ!!」
怒鳴ったアレンに再び歩んでいたレイはビクリと震えて立ち止まる。
そしてコクリと頷くと、踵を返して走り去って行った。
それを確認してから、アレンは寝台の上で踞る。
「…………ッぅ」
────血の匂いが。
キツすぎて、吐きそうだ。
しかもよく見てみたら、自分も血を浴びている。
返り血で真っ赤になっている自分の左手の手のひらを見て、アレンはギュッと目を瞑った。
─────違う。
幼い頃の自分の声が聞こえる。
頭のなかで、その声が響きだした。