レヴィオルストーリー2
────違う。僕じゃない。
僕じゃないんだ。
僕は、そんなことしてない。
それなのに。
どうして。
どうして。
どうしてみんな、そんなこと言うの。
僕じゃないのに。
“おれ”じゃないのに。
…何も知らないくせに。
「…………違う…っ」
廊下に飛び出てすぐにイルとギルク、マケドニスとクナルに会ったレイ。
彼女は戻って来て早々その呟きを聞いた。
何だか様子がおかしいアレンに、治療室の入り口で立ち尽くす。
「レイ様?」
マケドニスが後ろから声をかけた。
自分よりかなり小さい身長のレイの後ろから、治療室の中を覗き見る。
そして自分の主人をその目に映し、彼に仕えてから一番の驚きに言葉をなくした。
「…アレン様?」
踞って、
真っ青になって、
目を瞑って。
アレンは、
─────泣いていた。