レヴィオルストーリー2
「私、貴方に八つ当たりして…凄く酷いこと言っちゃって…。」
アレンはレイに言われたことを思い出して目を伏せた。
『最初からお父さんなんていなかったものね!』
一番ショックだった言葉。
けどそれよりも、“レイ”がそれを言ったこと自体が、一番キツい追い討ちをかけた。
「あのね、お父さんが大怪我負ったところ…、禁止区域だったの。若い人がね、軽い気持ちで入ったのを庇ったんだって…。それなのに…」
「知ってる」
アレンはレイの言葉を遮った。
「え?」
「…知ってる。考古学者の調査中の事故は…必ず城に連絡されるから。
…だから、謝らなくていい。悪いのは、混乱してたレイに…何もできなかった俺だから…。」
「…アレン…」
レイは潤んでいた瞳から、ついに涙を溢してしまった。
───わかっていたのに。
レイが本気でそんなことを言うわけがないこと。
わかっていたのにいちいちショックを受けて、慰めることもできなかった。
「…ごめん、レイ…」
アレンは謝りながら、自分の片手を包むレイの手に、もう片方の手を宛てた。