レヴィオルストーリー2

「えっ、アレン…??」


ギルクとイルも、アレンを見て目を見張る。




クナルに至っては声も出ないらしい。



彼女はアレンの様子を見る前に、自分の妹の状態に絶句していた。











「…違う…、嫌だ…ッ」



アレンは自分の頭を抱えて、ひたすらそれを繰り返していた。




違う。


違う。


僕じゃない。


“おれ”じゃない。





心の奥底に無理やり沈め込んだあの頃の感情が、もう限界だとでも言わんばかりに溢れ出てくる。







恐怖、憎悪、悲哀、苦痛。




辛くて辛くて、死にたいとまで思ったあの頃。







消し去りたいのに、消えない過去。








「…………ッ嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…ッ」






頭を抱える手に、力がこもる。




ギュッと髪ごと手を握り締めて、それでも止まらない感情と涙にただ「嫌だ」としか言えない。






< 620 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop