レヴィオルストーリー2
「えっ、アレン…??」
ギルクとイルも、アレンを見て目を見張る。
クナルに至っては声も出ないらしい。
彼女はアレンの様子を見る前に、自分の妹の状態に絶句していた。
「…違う…、嫌だ…ッ」
アレンは自分の頭を抱えて、ひたすらそれを繰り返していた。
違う。
違う。
僕じゃない。
“おれ”じゃない。
心の奥底に無理やり沈め込んだあの頃の感情が、もう限界だとでも言わんばかりに溢れ出てくる。
恐怖、憎悪、悲哀、苦痛。
辛くて辛くて、死にたいとまで思ったあの頃。
消し去りたいのに、消えない過去。
「…………ッ嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…ッ」
頭を抱える手に、力がこもる。
ギュッと髪ごと手を握り締めて、それでも止まらない感情と涙にただ「嫌だ」としか言えない。