レヴィオルストーリー2
「……………あ…」
ギルクがそれを指差してレイを見た。
じっと手のひらの上にある物を見てから、アレンもレイに目を移す。
彼女は笑っていた。
────アレンが一番好きな、華やかな笑顔で。
「気休めだけど、アレンが起きる為のおまじないにしようと思って。
…ねぇ、もう寝て。辛そうなアレンは見たくないの」
レイは一気に喋ると、アレンの目の上に手を置いた。
その綺麗なひんやりした手に少しアレンが微睡むと、すかさず力を使って眠りにつかせる。
レイがゆっくり手を退けた時には、アレンは穏やかな寝息をたて眠ってしまっていた。
「…強制?」
ギルクが苦笑いしながら言う。
「…仕方ないでしょう。
魔力の暴走の後だから、まだ不安定なのよ。
そういうときは眠っとくのが一番アレンにはいいの。」
妙に説得力のある理由を話し、レイはアレンをしばらく眺めるとギルクに指図した。
「アレンをここから出しましょ」